三角生揚げ1パックを130円から230円へ。取引先25店舗のうち、23店舗が値上げに応じたといいます。

茨城県八千代町の「とうふやたかはし」。DRIVEメディアが2026年3月に公開した高橋真弘氏への取材では、家業の価格を見直し、作る量や届け方を変え、カフェでお客さんとの接点を作ってきた経緯が紹介されています。

取引がなくなる可能性も引き受けて、値上げへ

高橋氏が向き合ったのは、卸売で利益が残りにくい状況でした。値上げを断られれば取引をやめる覚悟で交渉し、冒頭の結果につながったといいます。

取引先が残るかどうかは、交渉するまで分かりません。それでも今の価格を続けた先に無理があるなら、条件を出して相手に判断してもらう必要があります。この交渉は、取引を失う可能性と、利益が残りにくい条件で続ける負担を比べる決断だったと読めます。

売れる数が変わったら、作る予定も変える

その後も段階的に値上げを進めると、販売数も減ったそうです。高橋氏は製造数を見直し、製造日を減らし、配送日も調整していきました。

ここで販売数の減少だけを取り出すと、値上げで売れなくなった話にも見えます。けれど、作る量が変われば、準備や片付け、配送を組み直せる余地も生まれます。元の予定のまま少量ずつ作って届けるのか、注文量に合わせて仕事をまとめるのかで、負担は違ってきます。

減ったのは製造する日数で、店の営業日や総労働時間が半分になったという意味ではありません。利益の改善額も、取材記事からは確認できません。読み取れるのは、価格の変更に合わせ、作る量と日々の仕事も調整したことです。

催事で出会った人が、また来られる場所へ

お客さんとの接点にも課題がありました。催事への出店だけでは関係を続けにくく、高橋氏は拠点が必要だと考えたそうです。パティシエのパートナーと、2021年に工場併設のカフェを開設しました。

催事で商品を知ってもらえても、その後にどこで買えるかが分からなければ、次の購入は難しくなります。訪ねられる場所があれば、気に入った人がもう一度来るきっかけを持てる。カフェには、食べて商品を知る機会と、買いに戻れる場所の両方があると考えられます。

もちろん、カフェを開けば接客や仕込みの仕事も増えます。この店には菓子づくりを担うパートナーがいました。形をそのまま借りるより、自分の商品を気に入った人が次にどこへ来ればよいか、その接点を今の人手で担えるかを考えるほうが、商売に取り入れやすそうです。

主力商品を一つ選び、売れるたびに増える仕事を、注文から受け渡しまでたどってみる。価格を変えるなら、作る量や届ける予定も一緒に変えられるか。その組み合わせまで考えたいところです。

取り組みの経緯と数値は同記事での当事者説明に基づきます。SMALL SHIFTによる独自取材・財務検証ではありません。

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